健康課題別
職場のサポート
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女性の健康課題ごとに、どのようなサポートがあるとよいか、まとめました。
01.月経について正しく知り、適切な対処をしよう
詳しくはこちら女性従業員の月経に関する不調が、働く場面でどう影響しているのかを知り、サポート体制を整えることが必要です。そのためにも、生理休暇等、不調の際に利用できる制度について社員に適切に周知をしましょう。また、男性管理職のみならず、男性従業員にも女性特有の健康課題を学ぶ研修を開催しましょう。
>生理休暇制度について症状 | 女性のこころのうち | 職場のサポート |
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生理中、経血の量が多い | 長時間の会議や打ち合わせのときは、生理用品を交換するタイミングがなく、服や椅子が汚れてしまうのではないかと心配 | 会議、打ち合わせ時は、適宜休憩を入れるようにしましょう |
月経痛が強くて、痛み止めを飲んでも、腹痛や腰痛がつらい | 他の女性は休んでいないので、自分だけ生理休暇は、取りづらい | 痛みがひどいときに少し休憩できるスペースを設置しましょう 生理休暇を取りやすい環境を作りましょう |
月経前は、イライラして職場の同僚にあたってしまう。 体がだるい。眠くて集中できない。 |
ミスが多くなってしまい、落ち込んだり、重要な仕事の日に重なったらどうしようと思う |
企業事例
02.妊娠初期から産後まで 母体の変化と仕事への影響
詳しくはこちら妊娠は病気ではありませんが、母体には大きな変化が起こります。仕事にも様々な影響がでる場合がありますので、よく話し合って必要なときは適切な対応をとりましょう。
妊娠中、全期間 | 休憩をとれる場所を確保しましょう。(体を横にできる場所が望ましい)いざという時のために日頃からチーム体制を整えておきましょう。 |
妊娠初期(~15週) | 本人からの申出や主治医等からの指示により、仕事の内容や勤務時間を調整しましょう。産休の開始時期に向けて業務の調整や引継ぎの指示を行います。 |
妊娠中期(16~27週) | 復帰時期のスケジューリングを始めましょう。妊婦の状態によって業務内容の検討や調整を行います。制服の場合には、妊婦用のゆとりのある制服を支給しましょう。
また妊娠の経過によっては、産前の休業開始が早まる可能性もあるので、体制を整えておきましょう。 |
妊娠後期(28週~) | 就業中に時折休憩や、運動の時間がとれるよう配慮するとよいでしょう。妊娠経過及び出産日より、産休の時期が変動する可能性もありますので、臨機応変な対応ができる職場の体制が望まれます。産休・育休後の職場への復帰計画を確認しましょう。 |
産後 | 乳腺炎にならないために、適時搾乳できるスペースや母乳冷凍保存のための冷凍庫等の設備の準備が望まれます。出産後の母体の回復についての理解、授乳による体調不良(乳房痛、睡眠不良)についての理解と配慮をしましょう。 |
出典:「事業主の皆様へ マタニティハラスメントの起こらない職場づくりハンドブック」一般財団法人女性労働協会 平成27年度開発プログラムより作成
→下記一覧を参照ダウンロード
母性健康管理
妊娠は病気でないとはいえ、女性の心身には大きな負担・変化があります。働く女性が安心して子どもを生み育てることができるように職場における「母性健康管理」を推進しましょう。
→ 妊娠出産・母性健康管理サポート>企業担当者の方
マタニティハラスメントの防止
妊娠・出産・育児休業等を理由として、解雇、雇い止め、退職の強要、正社員からパートなど非正規社員への転換の強要を行うこと等、不利益となる取扱いは違法とされています。
また事業主は、法律に基づき妊娠・出産、育児休業、介護休業等に関する上司・同僚からの職場でのハラスメントの防止措置を講じなければなりません。
→ 厚生労働省(労働者向けハラスメント対策パンフレット)「職場でつらい思い、していませんか?」
職場の風しん予防対策
妊娠した女性(とくに妊娠20週頃まで)が風疹にかかると、眼や心臓、耳等に障害のある子ども(CRS:先天性風しん症候群)が生まれる可能性があります。妊娠を希望する人は予防接種を受けましょう(妊婦は予防接種を受けることができません。)
また、風しん流行の中心は働く年齢層で、特に予防接種空白期間の世代の男性は要注意です。職場での感染を防ぐため、職場での予防対策を進めてください。
→ 厚生労働省リーフレット「職場の風疹予防対策について」
※予防接種空白期間世代の男性(昭和37年度~昭和53年度生まれの男性)に対する風しんの抗体検査と予防接種のご案内はこちら
男性の育児休業取得促進 (さんきゅうパパプロジェクト)
国では、男性配偶者の出産直後の休暇取得を推進しています。妻の出産直後に男性が休暇を取得し、家族との時間を過ごすことで、産後の妻の心身のサポートになると同時に、父親であることを実感し、家族の結び付きが深まります。育児や家事のきっかけにし、これまでの働き方や生活を見直す機会にもなります。是非、男性の育児休業取得を促進してください。
→ 詳しくはこちら(こども家庭庁)
03.不妊治療と仕事の両立のために
詳しくはこちら
不妊治療を受ける従業員が会社や組織等に希望することとしては、休暇制度や勤務制度の他にも、「有給休暇など現状ある制度を取りやすい環境作り」や「上司・同僚の理解を深めるための研修」等も一定程度挙げられています。
出典:厚生労働省「平成29年度「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合調査」」
- 有給休暇の時間単位取得や、フレックス勤務のコアタイム短縮、失効年休積立制度の使用目的に不妊治療を追加するなど、今ある制度の見直しも有効です。
- 制度があっても使いやすい風土がなければ意味がありません。不妊治療についての研修などを実施して、社内の理解を深めましょう。
- 不妊や不妊治療に関することは、その従業員のプライバシーに属することです。従業員自身から相談や報告があった場合でも、本人の意思に反して職場全体に知れ渡ってしまうことなどが起こらないよう、プライバシーの保護に配慮しましょう。
→ 不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル
→ 両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)不妊治療と仕事の両立を支援する助成金のご案内
企業事例
株式会社プラグマ:グループチャットで急な体調変化など情報共有
04.働く女性が流産・死産と言われたら
詳しくはこちら
○母性健康管理
流産・死産した(人工妊娠中絶を含む。)女性の心身には大きな負担・変化があります。
女性労働者の体調面やメンタル面の回復のため必要な対応を行ってください。
妊娠出産・母性健康管理サポート>企業担当者の方
05.更年期症状で仕事をあきらめないために 早めに婦人科とつながろう
詳しくはこちら
40~50代の更年期世代の女性は、キャリアも長く知識も経験も豊富な貴重な人材であると思います。以前は女性の早期退職が多かったため、あまりこの問題に直面することがなかったかもしれませんが、更年期症状の健康課題は職場にとっても重要なテーマとなってきました。
職場としてはまずは、更年期について基本的な情報を共有することです。
女性従業員には、自身のヘルスリテラシーを高めることで、症状が重い場合は治療を受けるという行動につながります。また周囲はこの世代に体調不良があることを理解することが大切です。そして、更年期症状による離職を防ぐために、体調の悪いときに活用できる職場の制度を検討していただければと思います。
企業事例
06.がんの早期発見とがん治療との両立
詳しくはこちら予防・早期発見の観点から、がん検診費用の補助の検討や、検診受診の勧奨も有効です。
がんと診断された従業員が、治療と仕事の両立について、気軽に相談できる体制づくりを進めましょう。
現状の休暇制度・勤務制度の確認をし、事業所における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインを作成しましょう。そして、休職中のサポート体制・復職前のヒアリング・復職プランの作成・復職後の勤務制度
(時差出勤、段階的勤務、短時間勤務、時間単位や半日単位の休暇、在宅勤務、 フレックス勤務)を整えて行きましょう。
企業事例
株式会社浅野製版所:健康診断時の乳がん検診・子宮頸がん検診の実施
07.「もっとやせたい!」と思うあなたへ やせすぎの影響を知りましょう
詳しくはこちら「やせ」についての情報を従業員に周知するとともに、残業や不規則な働き方が多くないかなど、働き方についても見直してみましょう。
また、食からのアプロ―チとして、女性に不足しがちな栄養素をもりこんだレシピの提案や、朝食の提供などについても考えられます。
健診項目に「骨量検査」を加えることも、「やせ」による骨粗しょう症の早期発見につながります。
企業事例
08.日本の女性は鉄不足!その不調、貧血かも?
詳しくはこちら月経のある女性は、どうしても鉄分不足になりがちです。貧血が及ぼす影響(倦怠感/疲労感/立ちくらみが起きやすい/頭痛など)は、仕事の生産性にも影響します。特に、妊娠中は血液量が増えることから、貧血リスクが一層高まり、倦怠感が強くなるために、妊娠中の作業効率の低下にも繋がります。
健康診断の血液検査にフェリチン値の検査を付け加えたり、食生活のセミナーを開催するなどして、貧血対策への意識を向上しましょう。
企業事例
09.甲状腺 圧倒的に女性に多い!腫れやしこりを確認しよう
詳しくはこちら甲状腺は生命維持にかかわる重要な臓器である一方で、一般には甲状腺とその病気についてあまり知られていないのが現状です。職場のサポートとしては情報提供や甲状腺検査の補助、無料化などが考えられます。
企業事例
10.女性は男性よりうつになりやすい?女性特有のうつ
詳しくはこちら女性にうつ病が多いのは、月経周期、妊娠・出産、更年期といった女性ホルモンの変動が心身に影響していることが関係していると言われています。月経期はPMS症候群、妊娠・出産後はマタニティブルー、産後うつ、更年期は更年期うつが知られている通り、各時期で心の状態が不安定になることがあり、ひどい場合はこれがうつ病へと進行します。
また、仕事と育児・介護の両立問題や夫の転勤、睡眠時間の短さなど、女性特有の社会的ストレスや根強く残る性別役割分業も女性の心理状態に影響していると考えられます。
女性が相談しやすい相談窓口の設置や、男性管理職に対する女性部下のマネジメント研修など、職場の受け入れ態勢を整えることが重要です。
ストレスチェック制度とは
労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)及びその結果に基づく面接指導の実施、集団ごとの集計・分析等、事業場における一連の取り組みをいいます。従業員数50人以上の事業場に実施が義務付けられています。
→ こころの耳「ストレスチェック制度について」
従業員数50人未満の事業場には義務付けられていませんが(努力義務)、医師・保健師などによるストレスチェックを実施し、また、ストレスチェック後の医師による面接指導などを実施した場合に、事業主が費用の助成を受けられます。
→ 独立行政法人労働者健康安全機構「産業保健関係助成金」(事業主向け)