女性ホルモンと
ライフステージ

女性はライフステージごとに女性ホルモンが大きく影響する?!

女性が一生を通じて、女性の心身に大きな影響を受ける女性ホルモン。女性ホルモンの分泌の変化によって、女性はライフステージごとにかかりやすい病気や症状が違ってきます。 また、働き続ける女性が増加している現代は、新しい女性の健康課題も出てきています。

1.女性ホルモンとは

女性ホルモンとは、おもに卵巣から分泌される「エストロゲン」と「プロゲステロン」のことを指します。この2つのホルモンは排卵や月経をコントロールするだけでなく。 女性の心身に大きく影響しています。

エストロゲン ・子宮内膜を増殖させて妊娠の準備をする
・乳房を発達させて女性らしい体をつくる
・自律神経を安定させる
・骨量を保持する
・コレステロールのバランスを整える
・肌のつややハリを保つ
プロゲステロン ・妊娠の成立に向けて、子宮の働きを調整する
・乳腺の発達を促す
・体温を上げる
・食欲を増進させる
・体内に水分をキープする
・眠くなる
・イライラしやすくなるなど、気分を不安定にする
ライフステージ 妊娠・出産 月経困難症 月経前困難症・月経不順・無月経 月経前症候群(PMS) 子宮内膜症 子宮筋腫 不妊 流産・死産 貧血 やせ 乳がん 子宮頸がん 子宮体がん 卵巣がん 甲状腺の病気 うつ

2.女性のライフステージごとのかかりやすい病気や症状

現代女性は、妊娠・出産の機会が減っているため、月経回数は昭和初期に比べて9倍~10倍に増加しています。そのため思春期から性成熟期にかけて、月経痛、PMS、子宮内膜症、子宮筋腫といった月経や女性ホルモンの分泌が多いことによる病気や症状が増えていると言われています。
更年期になると、女性ホルモンの減少による症状が多くなります。日常生活に影響を及ぼすような「更年期障害」ほどではないけれど、肩こり、ホットフラッシュ、動悸、睡眠障害など、更年期による様々な不調を感じる人は多いです。さらに更年期以降は、生活習慣病、骨粗しょう症や認知症など、男性より女性がかかりやすくなる病気があります。

年代別の症状やかかりやすい病気

年代 症状や病気
10代~20代 月経困難症、性感染症、月経前困難症・月経不順・無月経月経前症候群(PMS)子宮内膜症子宮筋腫妊娠・出産貧血やせ、摂食障害(拒食・過食)、子宮頸がん甲状腺の病気うつ
30代 月経困難症、性感染症、月経前困難症・月経不順・無月経月経前症候群(PMS)子宮内膜症子宮筋腫妊娠・出産不妊貧血やせ、摂食障害(拒食・過食)、 乳がん子宮頸がん甲状腺の病気うつ
40代 月経前困難症・月経不順・無月経月経前症候群(PMS)更年期障害子宮内膜症子宮筋腫妊娠・出産不妊貧血、生活習慣病、皮膚の乾燥、粘膜の萎縮、泌尿器の病気、乳がん子宮頸がん子宮体がん卵巣がん甲状腺の病気うつ
50代 更年期障害、生活習慣病、皮膚の乾燥、粘膜の萎縮、泌尿器の病気、乳がん子宮体がん卵巣がん甲状腺の病気うつ
60代~ 生活習慣病、皮膚の乾燥、粘膜の萎縮、泌尿器の病気、乳がん子宮体がん卵巣がん甲状腺の病気うつ、骨粗しょう症、アルツハイマー・認知症

働く女性、働き続ける女性が増加し、女性の勤続年数が伸びるなか、働く女性が、月経関連の不調、不妊治療、妊娠・出産、更年期不調などの健康課題をどう乗り越えていくのか、ヘルスリテラシーと職場環境づくりの重要性が増してきています。

厚生労働省 「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」関連ページ
女性のライフステージと健康の特徴 http://w-health.jp/introduction/lifestage/
現代女性の健康問題 http://w-health.jp/introduction/contemporary/