法律・制度

健康で働き続けるために知っておきたい法律・制度を紹介します

1.生理がつらい時

生理休暇

労働基準法(第68条)により定められた休暇です。
女性労働者であれば、誰でも請求ができます。有給とするか無給とするかは、会社が独自で定めることができます。

○労働基準法(第68条)
「生理日の就業が著しく困難な女性労働者が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」
詳しくはこちら(厚生労働省)

2.安心して妊娠・出産するために

母性健康管理

母性健康管理とは、働く女性の妊娠・出産時における職場での健康管理のことをいいます。
労働基準法(母性保護規定)、男女雇用機会均等法(母性健康管理の措置)では、事業主が講ずる措置を下記に義務付けています。
詳しくはこちら(厚生労働省)

〇労働基準法における母性保護規定
・産前・産後休業(第65条第1項及び第2項)
・妊婦の軽易業務転換(第65条第3項)
・妊産婦等の危険有害業務の就業制限(第64条の3)
・妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限(第66条第1項)
・妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限(第66条第2項及び第3項)
・育児時間(第67条)
・罰則(第119条)
詳しくはこちら「妊娠出産・母性健康管理サポート」

〇男女雇用機会均等法における母性健康管理の措置
・保健指導又は健康診査を受けるための時間の確保(第12条)
・指導事項を守ることができるようにするための措置(第13条)
・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(第9条)
・紛争の解決(第15条~第27条)
詳しくはこちら「妊娠出産・母性健康管理サポート」

※母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)
「母健連絡カード」は、医師等の女性労働者への指示事項を適切に事業主に伝達するためのツールです。働く妊産婦の方が医師等から通勤緩和や休憩などの指導を受けた場合、その指導内容が事業主の方に的確に伝えられるようにするために利用するものです。
詳しくはこちら「妊娠出産・母性健康管理サポート」

3.不利益な取り扱いを受けないために

妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取り扱いの禁止

妊娠・出産したこと、育児や介護のための制度を利用したこと等を理由として、事業主が行う解雇、 減給、降格、不利益な配置転換、契約を更新しない(契約社員の場合)といった行為を「不利益取扱い」といいます。  
男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法により、事業主による「妊娠・出産」「育児休業・介護休業等の申出や取得等」を理由とする解雇等の不利益取扱いは禁止されています。

〇男女雇用機会均等法
・婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(第9条)

〇育児介護休業法
・「育児休業・介護休業等の申出や取得等」を理由とする解雇等の不利益取扱いの禁止(第10条、第16条、第16条の4)
詳しくはこちら「妊娠出産・母性健康管理サポート」

4.ハラスメントかな?と思ったら

妊娠・出産・育児休業、介護休業等に関するハラスメント、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントは、職場で起こるハラスメントです。ハラスメントは働く人が健康で十分に能力を発揮することを妨げ、企業にとっても職場秩序や業務の支障につながります。ハラスメントを防止するための法律が整っています。
詳しくはこちら(厚生労働省)

妊娠・出産・育児休業、介護休業等に関するハラスメントの防止

妊娠・出産したこと、育児や介護のための制度を利用したこと等に関して、上司・同僚が就業環境を害する言動を行うことを「ハラスメント」といいます。
事業主には、防止対策を講じることが義務付けられています。

〇男女雇用機会均等法
・職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置(第11条の2)

〇育児介護休業法
・職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置(第25条)
詳しくはこちら「妊娠出産・母性健康管理サポート」

セクシュアルハラスメントの防止

職場において、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、身体への不必要な接触など、 意に反する性的な言動が行われ、拒否したことで不利益を受けたり、職場の環境が不快なものとなる ことをセクシュアルハラスメント(セクハラ)といいます。
男女雇用機会均等法では、職場におけるセクシュアルハラスメントについて、事業主に防止措置を講じることを義務付けています。

〇男女雇用機会均等法 職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置(第11条)
詳しくはこちら「男女雇用機会均等法のあらまし「セクシュアルハラスメント対策、妊娠、出産等に関するハラスメント対策」」

出典:「職場でつらい思いをしていませんか」(リーフレット)より抜粋

→ 詳しくはこちら
「職場におけるセクシュアルハラスメント対策に取り組みましょう」(事業主向)
「悩んでいませんか?職場でのセクシュアルハラスメント」(労働者向)

※セクシュアルハラスメントなどの防止対策が強化されました(令和2年6月1日)

パワーハラスメント(パワハラ)の防止

同じ職場で働く者に対して、職務上の地 位や人間関係などの職場内での優位性を背 景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・ 身体的苦痛を与えられたり、職場環境を悪 化させられる行為をパワーハラスメントといいます。
労働施策総合推進法の改正により、職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。
※令和2年6月1日施行。中小企業は、令和4年3月31までの間は、努力義務となります。

○労働施策総合推進法
・雇用管理上の措置等(パワーハラスメント防止の法制化)(第30条の2)
詳しくはこちら「2020年6月1日から職場におけるハラスメント防止対策が強化されました」(詳細版)
→ パワーハラスメント総合情報サイトはこちら

※職場のパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等について指針により定められています(令和2年1月15日告示)。
詳しくはこちら「職場におけるハラスメント関係指針」

5.安全で健康に働きたい

労働者の心身の健康について

「職場における労働者の安全と健康を確保」し、「快適な職場環境を形成する」ことを目的に労働安全衛生法が制定されています。労働者の健康を守るため、各種検査等必要な措置の実施を事業者に義務づけています。

○労働安全衛生法
詳しくはこちら「安全・衛生」(厚生労働省)

職場のストレス対処について

心の健康であるメンタルヘルスについて不調をきたす労働者が多いことから、平成27年12月には労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」が施行されました(労働者が50人以上の事業場)。

〇ストレスチェック制度
ストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させます。あわせて、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的としています。
詳しくはこちら「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」(厚生労働省)