月経について

月経について正しく知り、適切な対処をしよう!

月経に関する不調を訴える女性は多く、働く女性にとっても一番の課題です。月経前や月経中の体の不調には、病気が潜んでいる可能性があります。痛みが強くてつらかったら、 生理痛(月経痛)は当たり前と思わず、正常な月経について知り、少しでも 異常かも?と感じたら、早めに婦人科・産婦人科を受診しましょう。

1.生理痛(月経痛)、生理前生理中の不調は、当たりまえと思っていませんか?

個人差はありますが、初潮の平均年齢は 12歳、閉経は、50歳。 なんと38年間も生理(月経)とおつきあいするわけです。平均周期で数えれば、一生で、450回~500回ぐらい生理(月経)が あることになります。 痛みや不調をがまんしないで、もっと自分を大切にしましょう。 何らかの不調を抱えている人は、20代で80%以上、 30代で70%以上もいます。
※1〈※1出典:内閣府男女共同参画局「男女の健康意識に関する調査」(平成30年)より〉
まずは、自分の生理(月経)と向き合ってみましょう! 

2.あなたの生理(月経)は正常でしょうか?月経について正しく知りましょう!!

正常な月経

正常な月経は
周期 25日~38日
出血期間 3日~7日
経血量 20~140ml(個人差有)
月経女子

最近の生理用品では、ナプキンやタンポンに加え、 月経カップもあります。月経カップでは、経血量も測定できますが、さまざまなタイプの生理用品がありますので、ご自身にあった生理用品を選んで、快適に過ごせるといいですね。

月経(出血状態)の異常

周期 月経不順 月経周期が不規則で次の月経の予測がつかない
頻発月経 月経周期が24日以内
稀発月経 月経周期が39日以上
無月経 3か月以上月経のない状態
出血期間 過長月経 1回の月経が8日以上続く
過短月経 1回の月経が2日以内で終わる
経血量 過少月経 経血の量が非常に少ない
過多月経 経血の量が非常に多い
不正出血 月経時期以外の出血

3.もしかしたら病気かもしれません。

月経痛や月経異常は、もしかしたら、病気が潜んでいるかもしれません。月経に伴う疾患や、子宮・卵巣の主な病気には、次のようなものがあります。

月経に伴う疾患

月経困難症:月経痛(腹痛、腰痛等)が強く、日常生活に支障をきたすもの。 子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因の場合もあります。

月経前症候群(PMS):月経開始3~10日前から始まるさまざまな心身の不快症状で、 月経が始まると症状が軽快、消失します。 排卵後の女性ホルモンの状態に対して、体が大きく反応するために起こると考えられています。症状の悪化には、ストレスも影響しているようです。


〇ヘルスラボの月経トラブル
詳しくはこちら ヘルスケアラボ「みんな悩んでる月経のトラブル」


〇生理痛・PMSチェックのセルフチェック
詳しくはこちら ヘルスケアラボ「生理痛」

子宮・卵巣の主な病気

子宮筋腫:子宮の壁(筋層)にできる良性の腫瘍で、悪性化はまれです。 症状は、過多月経、不正出血、貧血、頻尿、腰痛等。不妊の原因になることがあります。


子宮内膜症:子宮内膜に似た組織が子宮内腔(ないくう)以外の場所にできて、増殖、剥離を繰り返します。20代~40代の女性に多く、閉経すると症状はほぼなくなります。 症状は、強い月経痛、骨盤痛、性交痛、排便痛等。不妊の原因になることがあります。


卵巣のう腫:卵巣の中に液状の成分がたまってはれたものです。多くは良性です。症状は、一般的には、初期には自覚症状がありません。大きくなってきますと下腹の張り、 下腹部痛等があります。大きくなった卵巣がねじれを起こしますと、激しい腹痛が起きます。

4.婦人科・産婦人科の受診について

調査によると、月経に関する異常症状やPMS(月経前症候群)がある場合でも「何もしていない」人が最も多いです。婦人科の受診に抵抗がある方も多いかもしれません。 しかし、月経の痛みや、不調を緩和できる薬の服用の相談、子宮や卵巣の病気の早期発見のためにも、早めの婦人科・産婦人科の受診をお勧めします。鎮痛剤のみでなく、低用量ホルモン剤(ピル)の服用や、漢方治療などもありますので、 医師に相談しましょう。




〈出典:「働く女性の健康増進調査2018」特定非営利活動法人日本医療政策機構〉

5.職場のサポート

女性従業員の月経に関する不調が、働く場面でどう影響しているのかを知り、サポート体制を整えることが必要です。そのためにも、生理休暇等、不調の際に利用できる制度について社員に適切に周知をしましょう。また、男性管理職のみならず、男性従業員にも 女性特有の健康課題を学ぶ研修を開催しましょう。

>生理休暇制度について
症状 女性のこころのうち 職場のサポート
生理中、経血の量が多い 長時間の会議や打ち合わせのときは、生理用品を交換するタイミングがなく、服や椅子が汚れてしまうのではないかと心配 会議、打ち合わせ時は、適宜休憩を入れるようにしましょう
月経痛が強くて、痛み止めを飲んでも、腹痛や腰痛がつらい 他の女性は休んでいないので、自分だけ生理休暇は、取りづらい 痛みがひどいときに少し休憩できるスペースを設置しましょう。
生理休暇を取りやすい環境をつくりましょう
月経前は、イライラして職場の同僚にあたってしまう。
体がだるい。眠くて集中できない。
ミスが多くなってしまい、落ち込んだり、重要な仕事の日に重なったらどうしようと思う