特集 働く女性と生理休暇

企業取組事例:株式会社GOOD PLACE

取得者が一部社員に偏っていた生理休暇を必要としている人が利用しやすい制度へと刷新
従業員、管理職への徹底した周知で、取得件数が大幅に増加

株式会社GOOD PLACE
企業名 :株式会社GOOD PLACE
業種 :建設業
本社所在地 :東京都渋谷区
企業規模 :連結:全体248人(男性/96人・女性/152人)
※2024年1月時点
設立年 :1990年
(取材日:2023年9月28日)

【お話を伺った方】

株式会社GOOD PLACE
管理部総務課 課長
 松井 伸城 様
 君島 文枝 様

活用例が少なかった生理休暇の名称を「Life Style Support 休暇」に変更
必要としている従業員が利用しやすい制度へ

取組の背景には、親会社での生理休暇の刷新がありました。親会社で女性従業員3名がプロジェクトチームを立ち上げ、社会の変化や従業員のニーズに対応した、より取得しやすい休暇制度として、従来の生理休暇を刷新したLife Style Support 休暇(略称「L休」以下「L休」という)を企画し、親会社で2022年1月に導入されました。親会社での導入をきっかけに、当社でも生理休暇の取得状況を確認したところ、少数の従業員が年に数回取得していただけで、取得実績がほぼない状況であることがわかりました。
生理休暇という名称では、生理痛がひどくて休んでいると上司に伝えているようなものなので、申請するのは心理的にためらいがあるとの従業員の声も聞いていたことから、当社でも同様にL休として2022年4月から導入しました。
取得時の心理的ハードルがあり、取得者が一部社員に偏っていた生理休暇を、必要としている人が利用しやすい制度に変更し、より働きやすい環境を整備することを目的としました。

生理だけでなく女性特有の症状により就業が著しく困難な場合に対象を拡大
申請しづらさを払拭し、取得時間単位を柔軟にしたことで、使いやすい制度へ

L休は、それまでの生理休暇から利用対象範囲も拡大しました。以前の生理休暇は対象を生理日の就業が著しく困難な場合に限っていたのですが、L休では、月経前症候群(PMS)、子宮筋腫、子宮内膜症などの女性特有の症状により就業が著しく困難、または通院を必要とする場合も対象としました。また、妊活及び不妊治療に附随にする通院を必要とする場合は性別を問わず全従業員を対象としています。
申請するときは、勤怠管理システムからL休を選択して所属上長へ申請します。取得理由は原則尋ねることはありません。取得理由を聞かないことで、申請のハードルを下げて利用しやすくしています。
また、L休は、0.5時間単位で取得できます。生理休暇の取得件数の内訳は、1日単位より、時間単位の方が多いので、時間単位が使いやすいようです。取得時間は3時間が最も多く、続いて2.5時間、1.5時間の順となり、0.5時間単位でよく使われています。
L休導入前の2021年度は4件だった取得件数は、導入後の2022年度は96件と生理休暇の時と比べ取得数が大幅に増えました。
女性社員からは、「勤怠システムから『L休』を選択するだけなので、手続きが簡単で取得しやすい」、「本当につらい時だけ、時間単位で取得できるのがありがたい」といった声が聞かれました。申請のハードルが下がったこと、0.5時間単位からの取得を可能としたことで取得しやすくなったと考えられます。
L休は、年間12日以内は有給で、それ以上は無給としています。以前の生理休暇は日数の定めなく有給としていましたが、利用対象範囲を拡大したことで、すべてを有給としてしまうと際限がなくなってしまうため、有給日数は制限しました。年間12日以内の根拠として、女性ホルモンの変動がおよそ1ヶ月単位で繰り返されることを踏まえ、毎月1日休暇を取得しても不足ない日数として設定しました。

制度の説明資料を作成しイントラネットに掲載
管理職に向けても資料を作成し、説明会を行うことで制度の周知を徹底

管理職、従業員に対し、メール送付、説明会、社内のイントラネットに情報を掲載して制度の周知を徹底しました。
また、「L休について」という資料を作成し、導入時の説明会に使ったり、イントラネットに掲載したり、誰でも見られるようにしています。
資料の中では、Q&Aで制度の運用について説明をしています。
親会社で制度を導入するとき、保健師、産業医から「生理に附随して業務ができないほどの症状がある場合は治療対象なので、休むだけでなく、きちんと病院に行って治療をしてください。」とアドバイスがあったので、当社のQ&Aの中でも周知しています。

Q&A 掲載内容(一例)
Q. 女性優遇ではないですか?
A. これは生理痛など性別によるハンデを埋めているだけです。また、不妊治療にも使用できるため、その場合は男性も取得が可能です。
Q. 取得日数が多いのですが…
A. (略) 婦人科の先生などに言わせると、生理に附随して業務ができないほどの症状は治療対象なので、休むだけでなく、きちんと病院に行って治療をしてください。

社員向けQ&A 社員向けQ&A

管理職に向けては、別途管理職用の資料を用意し、説明会でも制度の説明を行いました。特に本人から相談がない場合は、休暇取得や事情について言及しないように説明しています。
休暇取得率を上げることを目的とするのではなく、必要な従業員が取得できるような制度にしたいため、引き続き周知を徹底していきたいです。

働きやすさ向上のため、テレワークを推進
それぞれのライフプランに合わせた制度を導入し、フォロー体制を築くことで誰もが休みやすい職場へ

当社は事業のひとつとして、クライアントへ働きやすいオフィス構築する事業を展開しています。どうやったら働きやすくなるかを日常的に考えているため、自社でも働きやすさ向上のための施策を取り入れています。その施策の一環でテレワークを推進しています。
日頃からテレワークを行っているので、誰かがL休で休んでいても他のメンバーからはわかりにくいということもあり、そういったところもL休の取得しやすさにつながっているのではないかと思います。
これまで当社では、有給休暇の取得率がなかなか上がらないという課題がありました。そのため、L休だけでなく、親や配偶者の看護にも利用できる看護休暇など、それぞれのライフプランに沿った多様な休暇制度を導入し、利用しやすくすることで、少しずつ休みやすい雰囲気ができてきたように思います。
これからは休暇取得を促進する一方で、休暇取得者をフォローする側のケアも検討していきたいです。できる限り業務を見える化し、属人化をなくしてチーム内でフォローできる体制を築くことも取り組んでいます。
今後も社員の働きやすさ向上策を積極的に検討していきたいです。

生理休暇取得状況

Life Style Support
休暇導入前(2021年度)
:取得件数4件
Life Style Support
休暇導入後(2022年度)
:取得件数96件