「自分ばかりが我慢している」と思う時、あなたは心の中でどのように感じているでしょうか。 例えば上司から高評価を得ている同僚を横目に「私だってこんなに仕事を頑張っているのに上司は認めてくれない」、 業務に追われて疲れているときに「自分を犠牲にしているのに同僚は手伝おうともしない」、 同僚との業務分担に「同じ給料なのにどうして私ばかり大変な仕事をしなければいけないの?」と感じることはありませんか? 大変でもその仕事自体にやりがいを感じている、あるいは「この業務は私が適任だ」というある種のプライドを保てる場合の我慢であれば問題はありません。 しかし多くの場合、我慢の陰には不公平感や不満が隠れています。
その我慢は誰かに強いられたものなのか、自分から買って出たものなのか、それとも断れなくて何となく自分がやる羽目になってしまったための我慢なのか考えてみましょう。 それぞれ他者を優先するのではなく、自分の気持ちをきちんと考えてみることから始めます。
よくものの本には「断る勇気を持ちましょう!」と書かれていますが、勇気を持つだけではなかなか断れません。 相手にどのように伝えたらいいのかということが問題です。そこでこのコラムでは相手との関係を悪くしないで、自分の気持ちを伝える方法について述べます。
まず、本来コミュニケーションとは、やり取り上手な人、下手な人に対して「性格だから」という人がいますが、
それは性格ではなくスキルなのです。つまりスキルを身に着けて、
状況に応じて使い方を選択できれば適切なコミュニケーションがとれるのです。
まず自分の気持ちや考えを正直にその場にふさわしい方法で表現することが大事です。
遠慮して回りくどい言い方や前置きが長いと逆効果です。
言い方も大事で、なるべく穏やかに言うことを心がけましょう。
特に上司に訴える場合は興奮したり感情的になったり、変に縮こまったりしてはきちんと伝わりません。
うまく伝えるコツは
① 事実を伝える
上司や顧客に伝えるとき特に注意してほしい点が「・・・だと思う」「・・・かもしれない」ではなく客観的な事実だけに焦点を当てます。
② 「ことば」で伝える
部下に対して「見たらわかるでしょう」「いちいち説明しなくても」は自分視点のことばです。相手に伝わることばで説明することはとても大事です。
③ 相手の立場、状況もわかっていることを伝える
自分だけが業務に追われて大変だということではなく、相手も尊重していることを伝えます。
④ 具体的な要望を伝える
どうしてほしいのかを伝えないと不本意ながら相手の提案に丸め込可能性もあります。その際には、例えば「業務の負担を減らしてほしい」「手伝ってほしい」ではなく具体的に「〇時には帰りたい」「△は締め切りを2日伸ばしてほしい」「〇〇はできますが××はそちらでやってほしい」等なるべく具体的に、
数字で表せることは数字を使って伝えるとわかりやすいです。「毎日仕事が大変だ」よりも「毎日これをやるために2時間残業しなければなりません」のほうが相手に伝わりやすいです。
また、その要望をかなえるのが難しい場合の代替案もあれば提示しておくと良いでしょう。
⑤ 語尾ははっきりと
「はっきりと」といっても攻撃的にならないように気を付けましょう。基本は「穏やかに」ですが遠慮がちになると語尾がうやむやになって相手の都合の良いように受け取られると困ります。できればどう伝わったか確認できると良いです。