宿泊業の仕事は、フロント、客室、宴会、調理など多岐にわたります。妊娠した女性にとっては、身体的負担が大きい作業があり、作業の軽減や免除等の配慮が必要となります。
調査結果から妊娠中の女性労働者に負担の大きい仕事をご紹介します。
女性労働者に、妊娠中、「立ち仕事」をしていてつらかったことがあったかを聞いたところ、全体で51.7%の人が「つらかった」と答えています。業務別にみても、すべての業務で「つらかった」と答えた人が半数を超え、特に調理が61.5%、客室が60.0%と6割を超える高い割合となっています。
アンケート自由記述の回答でも「接客中はなかなか座ることができなかった」といった意見がみられ、お客様対応による立ち仕事の長さといったことが背景に考えられます。
- ●接客は時間がよめないので、途中で代わるわけにもいかず、立ちっぱなしになる場合がほとんど。
- ●結婚式がある日は立ちっぱなしが多く辛かった。不正出血が続いたので不安だった。
- ●調理で労働時間のほとんどが立ち仕事だった。ブラシでの床掃除やゴミ出しなども行っていた。
- ●仕事が忙しく立ち仕事が続き、お腹がすぐ張るようになった。病院へ行くと自宅安静と診断された。
女性労働者に、妊娠中、「重量物の取扱い」でつらかったことがあったかを聞きました。
「つらかった」と回答した人は、全体では44.3%と半数を下回っていますが、業務別でみると、客室が60.0%、宴会・食堂で51.5%と「つらかった」の割合の方が高くなっています。
アンケート自由記述の回答では、「お客様の荷物の運搬」や「食事、食器を運ぶ」作業がつらかったとの意見がみられました。
- ●客室係をしていたので、「重い荷物を持ってほしい」と急に呼ばれることもあり、対応しなければならなかった。
- ●宅配便の受取りや仕分けは力が入ってしまいつらかった。
- ●洗い終わった後の食器を戻す作業。集めた食器はかなり重かった。
- ●妊娠初期に人手が足りず、重い物を持ったことでお腹が痛くなったり不正出血があった。
女性労働者に、妊娠中「前屈みの仕事」でつらかったことがあったかを聞きました。全体では、41.3%の人が「つらかった」と答えています。
業務別にみると、調理で47.6%と「つらかった」と答えた人は約5割に上り、全業務の中で最も高い割合となり、次に客室が44.7%と続いています。
また、アンケート自由記述の回答からは前屈みの仕事に加え、ベッドメイクや客室チェックの際の「立ったり座ったり」の繰り返しがつらかったとする意見があがっています。
- ●前屈みの仕事はきつかった。和室での配膳が特にきつかった。
- ●お腹が大きくなると、ベットメイクなどしゃがんだり、立ったりの動きがつらく、いつもより作業に時間がかかりつらかった。
- ●部屋チェックをしてまわるのがしんどかった。ずっと立ち歩き、立ったりしゃがんだりするのでお腹が張ったり立ちくらみがひどかった。
- ●お腹が大きくなってからは、フロントカウンターでの接客でお腹を押し付けないといけなかったので、ご案内しづらく、つらかった。
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