企業ご担当者の方
母性健康管理に対する企業の義務
育児中の女性労働者への配慮
女性労働者が仕事と育児の両立を図れるよう、会社も一緒にサポートする環境をつくりましょう。
法に基づく各種制度について、ご紹介します!
育児時間
生後満1歳に達しない子を養育する女性(本人が請求した場合)は、1日に2回、少なくとも各30分の育児期間を請求することができます。
(労働基準法第67条)
生児には実子のほか養子を含み、育児時間をいつ与えるかは当事者間にまかされています。
POINT!
変形労働時間制の下で労働し、1日の所定労働時間が8時間を超える場合には、具体的状況に応じて法定以上の育児時間を与えることが望ましいとされています。
育児休業を取るときは
期間: | ■原則、子が1歳に達するまでの間で労働者が申し出た期間 |
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■子が1歳に達する時点で保育園に入所できない等の場合は1歳6ヶ月まで延長可能 | |
■子が1歳6ヶ月に達する時点で保育園に入所できない等の場合は2歳まで延長可能 |
対象: |
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「一定の範囲の有期雇用労働者」とは
「育児休業の対象となる一定の範囲の有期雇用労働者」とは「子が1歳6か月になる日の前日までに労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと」に該当する労働者です。
POINT!
一定の場合には、子が1歳6か月(又は2歳)に達するまで育児休業ができます。
1歳6か月(又は2歳)まで育児休業ができるのは、次の1、2のいずれかの事情がある場合です。
- ※2歳までの育児休業は、1歳6か月到達時点でさらに休業が必要な場合に限ります。1歳時点では、1歳6か月までの育児休業が可能です。
- 1.保育所に入所申込みを行っているが、入所できない場合
- 2.子の養育を行っている配偶者であって、1歳(又は1歳6か月)以降子を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合
- ※育児休業中の労働者が継続して休業するほか、子が1歳(又は1歳6か月)まで育児休業をしていた配偶者に替わって子の1歳の誕生日(又は1歳6か月到達日の翌日)から休業することもできます。
また、1歳6か月(又は2歳)までの育児休業を取得していない場合、配偶者の休業の終了予定日の翌日以前の日を、本人の育児休業開始予定日とすることができます。
育児休業申出
<申出の内容>
申出に係る子の氏名、生年月日、労働者との続柄、休業開始予定日及び休業終了予定日
<1歳までの育児休業の申出の期限>
休業開始予定日から希望通り休業するには、その1か月前までに申し出ます。
<1歳から1歳6か月(又は1歳6か月から2歳)までの育児休業の申出の期限>
希望通り休業するには、1歳から1歳6か月までの育児休業については、休業開始予定日(1歳の誕生日)の2週間前まで、1歳6か月から2歳までの育児休業については、休業開始予定日(1歳6か月到達日の翌日)の2週間前までに申し出ます。

- (1)父母がともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月に達するまで(2か月分は後から育児休業を取得した父(母)のプラス分)育児休業を取得することができます(パパ・ママ育休プラス)。
- ※父の場合、育児休業期間の上限は1年間。母の場合、産後休業期間と育児休業期間を合わせて1年間。
- (2)子の出生後8週間以内の期間内に、産後休業をしていない従業員が育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくても、再度の取得が可能です。
- (3)配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中であっても育児休業をすることができます。
その他の両立支援制度
育児のための短時間勤務
3歳未満の子を養育する男女労働者(本人が請求した場合)に関して、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務制度を設けなければなりません。
(育児・介護休業23条)
3歳から小学校に入学するまでの子を育てる労働者について、所定労働時間の短縮等の措置を講ずることが、事業主の努力義務として求められています。
所定外労働の制限(残業免除)
3歳未満の子を養育する男女労働者(本人が請求した場合)は、所定外労働が制限されます。
- ※令和7年4月から、対象となる子の範囲が小学校就学前の子を養育する男女労働者に拡大されます。
(育児・介護休業法第16条の8)
子の看護休暇
小学校就学前の子を養育する男女労働者(本人が請求した場合)は、子が1人なら年5日、2人以上なら年10日まで、看護休暇を取得することができます。子の看護休暇は、1日単位又は時間単位で取得することが可能です。
- ※令和7年4月からは、対象となる子の範囲が小学校3年生修了までに拡大され、病気・けがをした子の看護又は子に予防接種・健康診断を受けさせるためのほか、新たに感染症に伴う学級閉鎖や入園(入学)式及び卒園式の場合も取得が可能となります。また、名称も「子の看護等休暇」になります。
(育児・介護休業法第16条の2、第16条の3)
時間外労働・深夜業の制限
小学校就学前の子を養育する男女労働者(本人が請求した場合)は、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせてはならないことになっています。また、午後10時から午前5時までの就業をさせてはならないことになっています。
(育児・介護休業法第17条、第19条)
育児目的休暇制度(努力義務)
小学校就学前の子の育児に関する目的で利用できる休暇制度(配偶者出産休暇や入園式等の行事参加のための休暇等)を設けるよう努力しなければなりません。
(育児・介護休業法第24条第1項)
柔軟な働き方を実現するための措置(※令和7年10月から)
3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、事業主は、「始業時刻等の変更」、「テレワーク等(10日/月)」、「保育施設の設置運営等」、「就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与(10日/年)」、「短時間勤務制度」の中から、2つ以上の措置を選択して講じなければなりません。
労働者は会社が講じた措置の中から1つを選択して利用することができます。
(育児・介護休業法 第23条の3)
紛争解決援助制度

苦情処理・紛争解決の援助及び調停
- 労使とも育児休業の取得等に伴う労使間の紛争について、都道府県労働局長による紛争解決の援助及び調停委員による調停制度を利用することができます。
詳しくは厚生労働省ホームページ「育児・介護休業法について」をご覧ください。
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