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介護施設で働くみなさまへ

職場づくりのポイント

妊産婦の職員の方は…

妊娠が分かったら、すぐに職場に報告を   

介護業務は身体への負担が大きい作業が多く、夜間勤務を行う場合もあります。
職場に迷惑をかけてしまうという気持ちもありますが、早く報告を受ければ、職場は早く調整したり、対応したりできるようになります。
利用者にこれまでと変わりない環境の中で過ごしてもらうためにも、自分の身体と赤ちゃんを守るためにも、妊娠が分かったら早めに報告をしましょう。

できることを見つけて行う心がけも大切です

妊娠中の体調には個人差がありますが、妊娠前と全く同じように働けるわけではありません。
仕事への責任もありますが、お腹の赤ちゃんを守る責任もあります。体調が悪い時や変化を感じたら、無理をせず、すぐに主任やリーダーなど上司に報告しましょう。 でも、何もできないわけでもありません。事務作業や見守り、時間をかければできることなど、できることはありませんか?
妊娠・出産経験のある先輩や同僚に、妊娠中に対応できた業務を聞くのもひとつの手ですが、個人差もあるので、主治医や産業医、保健師などに相談するのが安心です。

周囲への感謝を忘れずに

妊娠中や出産後は他のスタッフに業務を代わってもらうことがあるでしょう。その時に「妊娠中だから代わってもらって当然」ではなく、「ありがとう」「助かります」という気持ちが大切です。
スタッフ同士がお互いを思いやれるあたたかい職場。利用者の方にもその雰囲気は伝わるのではないでしょうか?
介護の仕事にやりがいを感じている後輩が妊娠したときには、自分が経験してきたことを伝えて、みんなで支え合う風土を育んでください。

仕事はひとりではできません。
人が人をサポートする介護の現場ではなおのこと。
職場で自分の変化を伝え、共有することで、利用者の安心につながります。

主任・リーダーの方は…

「おめでとう!」の言葉からスタート

業務管理上も健康管理上も妊娠の報告時期は、早いほど有効な対策ができます。
報告しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。
また、妊娠中の体調は個人差があり、日々変わっていくもの。
妊娠中の職員には日頃から声をかけて、体調などを確認するようにしましょう。

丁寧な説明で理解をうながし、安全安心な妊娠経過はお互いを思いやれる関係づくりから

妊娠中の職員の業務免除などに伴って、周りの職員の負担が増し不公平感がうまれがちです。
妊娠中の職員の状況や業務免除の必要性を丁寧に説明することで誤解のない関係づくりを築きましょう。
配慮を受けた職員から感謝の笑みがこぼれるとうれしいものです。
より質の高い介護を提供するには職場の雰囲気づくりが大切です。

困った時は『産業保健スタッフ』に相談!

職場の『妊娠・出産経験者』に、妊娠中に対応できた業務などを確認すると参考になります。
ただ、個人差も大きく、自分自身や家族にも妊娠・出産経験のない職員が多いような職場では皆が戸惑い、対応に困るケースも。
そんなときは産業医・保健師などの『産業保健スタッフ』に相談してみましょう。

職場の仲間は同じチームの一員です。
日頃からのコミュニケーションを大切にし、困った時は「お互いさま」の精神で、職場全体で助け合えるといいですね。

事業主の方は…

女性職員の専門性を育成する環境整備をしっかりと

介護という仕事は、利用者の変化をいち早く察知したり、周囲への目配りができるなど、女性の強みを発揮できる側面を持っています。
また、施設の利用者(入居者)が、女性が多いということからも、 女性介護職員が継続して対応することで、利用者の満足度向上につながると 考えられます。
そこで、女性職員の知識・技術の習得を重視し、内外の研修に参加できるようにしたり、積極的に資格取得を支援するなどして、専門性の向上を推進するとともに、職員が将来を見通せるようなキャリアパスを構築し、実施していきましょう。

作業の制限に関するルールを明文化し、周知を徹底

妊娠中の体調には個人差があり、一概に規程としてルール化するのは難しいことかも
しれません。
ただ、現場の判断に任せているままでは、現場のリーダーへに過度な負担がかかるだけでなく、対応に偏りが生じ公平性を欠くため、他の職員からの不満の原因ともなります。
そのため、妊娠の申し出から配慮を受ける手順について、基本的な考え方を明確に文書化した上で、それぞれのケースに応じた柔軟な対応を行うことが必要です。
また、定めたルールはきちんと周知しましょう。全職員が認識することが大切です。

柔軟な勤務形態で復帰後も安心して働きつづけられる環境づくりを

復帰後は、夜勤が免除とされ、正職員で働き続けることが難しくなるため、一旦退職し、パート労働者となるケースが多くなるようです。
正職員のままで復帰するには、デイケアなど日勤のみの部署へ異動するほかに、ローテーションやシフトでの工夫による対応が必要と言えるでしょう。
細かく複数の勤務時間帯を設定し、朝が早く夜が遅いシフトに独身世代を配置するなど、子育て世代が夜勤に入らなくてすむ、柔軟な勤務形態により対応している施設もあります。
また、復帰にあたっては、施設管理者、現場リーダー、女性労働者の三者で事前に面談を行い、復帰後の働き方について話し合い、情報を共有しておくことが大切です。

妊娠中・出産後における体制サポートが不十分なばかりに優秀な人材が退職してしまうことは、施設にとって大きな損失です。
ぜひ、「女性にやさしい職場づくり」への取り組みを進めていきましょう。

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