介護施設で働くみなさまへ 妊産婦に配慮が必要な業務 トイレ介助

■姿勢・動作の特徴

  • ・立位保持が困難な方などの場合は、2人で介助を行う場合が多い。
  • ・車椅子から便座、便座から車椅子への移乗介助が必要な場合がある。
  • ・ズボン等の上げ下げ、排泄物の確認や清拭の際にしゃがんだり、前屈みになったりする。
  • ・排泄物や芳香剤の臭いがある。
  • 妊婦の声 こんな声がつらかった(ヒヤリング調査より)

    トイレ介助でつらかったこと

    • ・臭いはつらかったですが、一時的なものなので我慢しました。
    • ・臭いだけはどうしてもダメでした。マスクを二重に付けたりして工夫してやっていました。
    • ・6か月頃からお腹が出てきてトイレ介助を行うのに狭く感じました。

懸念される身体への影響・症状と望ましい対応例

基本動作・状態 懸念される状態 懸念される身体への影響・症状 配慮すべき時期 望ましい対応例
前屈み 腹部への圧迫

・子宮への血行不良

・子宮収縮に伴う切迫症状

・子宮の軽い圧迫

妊娠中期以降

・立位保持困難者は免除する

・介助があまり要らない人の担当とする

・2人組で負荷の少ない作業の担当とする

しゃがみこみ 腹部への圧迫

・子宮への血行不良

・子宮収縮に伴う切迫症状

妊娠中期以降

・立位保持困難者は免除する

・介助があまり要らない人の担当とする

・2人組で負荷の少ない作業の担当とする

足元の不安定さ

・転倒によるケガなど

立作業が長い、多い 無理な立位姿勢

・腰痛

・子宮収縮に伴う切迫症状

・体力の消耗

妊娠中期以降

・立位保持困難者は免除する

・早めに小休止をとれるようにする

・足台を補助する

臭い(排泄物、芳香剤など) 臭気過敏 つわりの誘発 妊娠初期(つわり) マスクの着用を許可する
介助場所の狭さ 無理な姿勢

・腰痛

・転倒などによるケガ

妊娠中期以降

・状況に応じて交代する

・無理な姿勢を取らない工夫を図る

腹部があたる 子宮の圧迫

実施可能な作業方法

  • ・できる限り、見守りや検品、業務日誌の入力など、身体への負担が軽い代替業務を行うようにすることが必要です。
  • 代替業務の例 できることがこんなにあります。

    洗濯や衣替え、訪問者対応など、様々な業務があります。職員みんなで日常業務を点検して、代替業務を把握しておきましょう。代替業務といっても、妊娠は「特別な」健康状態です。長時間立ち続けたり、歩き続けたりしないように、適宜座って休憩を取らせる配慮も必要です。 また、長時間の精神的緊張も避けるように配慮しましょう。

    食事やおやつの準備・配膳・下膳など

    食事場所への利用者の誘導やお茶の準備、利用者にあった食事形態の確認、食事やおやつの配膳・下膳など。つわりがひどい時には、相談しながら実施しましょう。

    フロア見守り

    水分補給や利用者とのコミュニケーション、余暇活動の補佐、巡回や業務の指示出し、ナースコール対応など。

    新規入所者・短期入所者対応

    新規入所者や短期入所者の受け入れ準備や入所日当日の受け入れ、検品、退所時の準備など。

    その他の業務

    排泄表、入浴表、食事チェック表などの記録物の確認
    業務日誌の記録
    申し送りへの参加
    受診時の対応および準備 など

  • ・妊産婦の職員が行う場合は・・・

トイレまでの誘導などを担当させ、移乗介助や体を支えるといった直接介助は避けるようにしましょう。
体調や無理が生じていないかなど、こまめに声をかけて確認するようにしましょう。

  • 介護施設での対応例 こんなふうに工夫しました!
    • ・立位保持困難な方は免除。つかまっていても不安定で、転倒の危険性があり、
      腹部に負担がかかるため。事故リスクも高くなる。
    • ・車いすからトイレへの移乗を要する利用者は免除。
    • ・体を支える、持ち上げる動作は他の職員が対応し、身体的負担の無い方の介助を担当。
    • ・前屈姿勢で負担がかかるため妊娠中期から免除し、誘導を担当。
  • ・切迫早産や妊娠浮腫、腰痛症などの症状が発生した場合は、身体への負担が軽い業務に転換したり、主治医等から指導に基づいた措置を講じたりしましょう。

妊娠経過の状況によっては、身体への負担を軽減することが望ましいですが、ここに示す対応例は母性を過剰に保護するものではなく、また、働く機会を必要以上に狭めるものではありません。

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