女性自身でもわかっていない健康課題を知ってもらうため、オンラインセミナーを開催している。「私だけじゃないんだ」という社員同士の共感も生まれてきた。さらには働き続けるモチベーションにもつながっている。 また、男性にも女性の健康課題を知ってもらい、気持ち良く一緒に働くことを目指している。

- 業種:サービス(その他)
- 本社:東京都江東区豊洲3-2-24 豊洲フォレシア16F
- 従業員数(男女別):2693名(女性2426名/男性267名)
主な取り組みポイント
キャリアステージごとのオンラインセミナーを実施
ライフステージやキャリアステージの変化に応じて多くの女性が抱える課題や不安に対し、 「カラダ×こころ×キャリア」をテーマに据え自分と向き合うオンラインセミナーを実施した。自ら不安の払拭と課題解決を目指している。セミナーは、キャリアステージ(スタッフ期・先輩期・マネージャー期・ワーママ期)に分けている。 スタッフ期では、「女性のカラダの基礎知識講座」、先輩期では、「カラダ変化と下着について」などを実施した。
女性限定でなく、男性管理職にもセミナーを実施
男性管理職にも女性部下との接し方に悩みを抱えている傾向が見られたため、女性の健康課題を理解した上で、女性部下との信頼構築やコミュニケーションをどう図っていくかをテーマに行っている。
産休・育休前ガイダンスプログラム
女性社員が多いため、制度の概要や、復職までの流れ、保活、先輩社員からのアドバイスが受けられるしくみを作っている。
子育てセーフティネット
- ベビーシッター制度
- ファミリーサポート利用の援助
キャリアステージの変化における悩みや不安の相談
社内のキャリアコンサルタント(国家資格保持者)が、要望に応じて個別のキャリア面談を実施している
その他の取組
- イントラネット内「健康情報箱」の設置
健診結果管理システム化(診断予約・結果確認までのシステム化)、健康リスク・ストレスチェック・セルフケア情報のネット配信 - 小さな「できた」が楽しく続く健康アプリ『SUNTORY+』活用による健康行動習慣化促進
- 健康アンケート結果に基づく睡眠セミナー実施
- 社会保険労務士の相談窓口新設
- メンタルヘルス関連研修の実施
- イントラネット内「働きかたNEXTサイト」設置
テレワーク、仕事と介護の両立、仕事と育児の両立、仕事と治療の両立という4つの切り口で必要な申請手続き情報を提示。 - 介護に関する社外相談窓口を設置
健康対策に取り組もうとしたきっかけ
1963年に女性社員だけで創業し、現在でも多くの女性が活躍している。 長年に渡り多くの女性従業員と向き合う中で、①働く女性のライフスタイルが大きく変化してきていることや、 ②「生活環境の変化」から生じる漠然としたカラダの不調とこころの不安を抱えながら働いていることを実感したから。 また、本人達がそうした不調・不安が女性特有の健康課題であるという可能性を知らず、セルフコントロールの甘さを責め精神的に不安定になるケースも見られたから。
導入に際して工夫したこと、大変だったこと
働く女性が抱える不安や悩みは人によって様々である。そのため、ライフステージやキャリアステージ別に抱える傾向にある悩みや不安を整理・ 分析することで提供する解消策の検討に役立てた。また、女性がイキイキと働き続けるためには本人に限らず、 働く女性を取り巻く多くのステークホルダーの理解や応援が必要である。働く女性を部下に持つ管理職や異性のヘルスリテラシーの向上施策も同時に検討が必要と実感した。
効果
- 普段抱えている不調や不安が自身の不摂生によるものではないとわかり、働く上での安心感や自信が醸成された。
- 「共に働く女性を理解したい」、「自分たちこそ正しい知識を持っておくべき」という男性や管理職からの期待や理解の声が増えた。
- 女性活躍の支援や健康経営の取り組みの一歩とし、制度と連動した切れ目ないキャリア形成サポート施策として充実させることができた。

(2021年11月の取材に基づく内容です。)