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宮川 路子

法政大学教授 下北沢西口クリニック院長
宮川 路子

女性の健康と栄養について
隠れ貧血の問題

日本の若い女性はほとんどが鉄不足であると言われています。そして、女性特有の様々な心身の症状は、実は鉄不足が原因であることが多いのです。鉄は、細胞内でエネルギーを作り出すため、そして脳の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどを作るために重要な働きをしていることから、鉄不足があるとエネルギーが不足し、脳神経の不調が起きてしまうのです。

頭痛、偏頭痛、頭重感、肩こり、腰痛、疲れが取れにくくだるい、めまい、たちくらみ、動悸、息切れ、冷え性、肌荒れ、爪が割れやすい、炭水化物や甘いものが無性に欲しくなる、肥満、喉の違和感・つかえ、食べ物を飲み込みにくい、いらいら、神経過敏、集中力低下、摂食障害、うつ(産後うつも)、そして不妊症。
これらの症状は、どなたもが、どれか一つくらいはあてはまるものがあるのではないでしょうか?

鉄不足といっても、健康診断で測定するヘモグロビン(Hb)で判定する鉄不足ではなく、あまり知られていませんが、フェリチンという、貯蔵鉄の指標で判断する“隠れ貧血”(潜在性貧血)です。血清フェリチンは1 ng/mlが、貯蔵鉄8〜10mgに相当し、生体内の鉄の状態をよく反映するといわれています。貧血はまずはこのフェリチンが減少することから始まり、その後、血清鉄が減少し、最後にHbが減少するのです。ですから、通常の血液検査(Hbの測定)では初期に貧血を見つけることはできません。Hbが減少してくる時にはすでにかなり貧血が進んでいて、様々な症状が出て不調に陥っていることになるのです。

隠れ貧血でも上述のようないろいろな症状が出ることが知られていますから、重症化する前に、血液検査でフェリチンをチェックして、早い段階で貧血を発見することが大切です。
そして、検査結果を判断するときには、気を付けなければいけないことがあります。

日本では、フェリチンの正常値の基準は非常に幅が広く、検査機関によっても異なりますが、男性では20〜250ng/ml、女性では5〜120ng/ml程度となっています。けれども、欧米の正常値は女性でも100ng/ml以上であり、この基準でいうと日本人女性(生理のある50代以下)はほとんど全員が鉄不足であるといえるかもしれません。心身ともに元気に過ごすためには、フェリチンは少なくても50g/ml以上、できれば100g/ml以上を目指すことが必要です。

実際に私が検査を行った方々は、ほぼ全員がフェリチンが一桁〜20未満の隠れ貧血でした。中には母娘で受診なさる方もいらっしゃいますが、同じ食事を摂っているからか、親子がまるで双子のようにそっくりな貧血(検査値)のケースが多いのです。生理が始まって貧血となる思春期の女の子は精神的に不安定になります。いわゆる反抗期です。母親もまだ生理がある年代でやはりいらいらしていますから、両者がぶつかるようになります。私は反抗期は貧血のために起こると考えています。ですから、母と娘同時に貧血の治療を行うと、多くの親子が体調が改善し、精神的にも安定して穏やかな関係になるのです。毎日必要だった頭痛薬が貧血の治療でまったく必要なくなった親子もいます。

さらに、私は不妊症、妊娠、出産においても栄養を整え、血流を改善することが重要だと考えて治療を行っています。特に産後うつの予防と治療には妊娠中から出産後に継続して行う貧血治療が必須となります。

■更に詳しくお知りになりたい方は、下記サイトをご確認ください。
Web:こころと身体の栄養療法

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