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梅本 公子

特定社会保険労務士
梅本 公子

女性の健康課題に留意した職場環境の整備に向けて

多くの企業で働き方改革や女性活躍推進などの取組が進められ、「健康経営」の考え方も着実に広まりつつあります。
一方で、政府の調査によれば、第一子出産を機に半数近くの女性が退職しているほか、女性特有の健康課題などにより、正社員として働くことや昇進等、職場で何かをあきらめなければならないと感じた経験があるという女性は4割を超えています。
このように、働く女性がキャリアの停滞や中断を余儀なくされることは依然として少なくありません。

女性のキャリアの阻害要因は多岐にわたり、その背景には、性別役割分担意識や男性の長時間労働などがありますが、女性特有の健康課題等を踏まえたキャリア形成という視点での支援や取組も十分とはいえない状況です。
本人のやる気と能力があるにも関わらず、女性特有のライフイベントや体調不良等によりキャリアをあきらめざるを得ないとしたら企業にとっても大きな損失です。
このようなことを避け、女性が生き生きと働き続けられる職場をつくるためには、今までの取組に加え、女性特有の健康課題等に対する従業員全体の理解促進や女性が不調を言い出しやすい職場風土の醸成、従業員へのサポート体制の整備などが求められます。

女性特有の健康課題については、その症状に個人差が大きいため当事者以外には分かりにくく、女性自身も十分な知識をもっていないことが多いため、従業員への理解促進にあたっては、そのようなことを前提にして取り組むことが必要です。
例えば、女性の健康課題に関する各テーマについて産業医を招いた座談会の定期的な開催や、女性特有の疾病のほか癌などを含めた検診の受診の呼びかけなどにより従業員の知識を深めるとともに、女性特有の不調への対応策や健康管理システムなどの情報提供により、自身の健康管理の意識づけやセルフケアを促している事例もあります。

なお、女性特有の不調については、職場で言い出しにくいことや、また、仕方のないことだと我慢してしまうこともあります。そのようなことを避けるため、体調不良などの際に利用できる制度の定期的な周知のほか、電話やメールなどでも相談可能な窓口の設置、母性健康管理指導事項連絡カード等のツールの活用促進など、自身の状況や不調を伝えやすい仕組みや風土づくりも重要です。
効果的な事例としては、人事面談の際に従業員が記載する人事調査シートに健康に関する質問項目を増やして、上司が部下の健康状態を把握しながらラインケアを推進している会社があります。健康に関する回答は任意ですが、従業員が自身の健康について考える機会の提供や職場で健康に関して当たり前に話し合える環境を目指して取組を進めているようです。

最後に、従業員へのサポートについて触れておきますと、女性はホルモンバランスの変動等により、就業期間を通して健康課題を抱えることも多いため、長期的なサポート体制の構築が必要です。そのためには、まず、どのような課題を抱えているのか的確に把握したうえで、本人の業務分担や適切な人員配置など、柔軟な対応がスムースに行えるよう、日頃から情報共有や業務の見える化、複数担当制や多能工化などを少しずつ進めておくことや、従業員のニーズと職場の状況に合わせた制度の整備などを意識的に行っておくとよいでしょう。

男女を問わず、長期的なキャリア形成が可能な職場となるよう、働き方や休み方に関する制度の充実や多様化とともに「健康経営」の視点を取り入れ、体調には性差や個人差があることを正しく認識しつつ、できるところから継続的に取組を進めてほしいと思います。

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