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岡本 尚美

社会保険労務士
岡本 尚美

妊娠中の在宅勤務

新型コロナウィルスにより一気に広まったテレワーク。その中でも特に在宅勤務は、働く側にとっても感染リスクを低くして安心して就労できる働き方であり、企業にとっても事業継続のための有効な手段となっています。
 妊娠中の方は、感染対策だけではなく通勤の負担がなくなるので、特に在宅勤務を希望される場合が多いかもしれません。

母性健康管理において在宅勤務はどのように取り扱うかというと、他の母性健康管理の措置と同様に、女性労働者が健康診査等の結果、医師等から指導を受けた場合、在宅勤務は事業主が指導事項を守るために講じる措置の一つとなります。
 在宅勤務が指導事項を守るための唯一の措置ということではなく、一般的には複数の措置のいずれかの措置を検討することになりますが、先に述べたとおり、妊娠中の労働者にとっても企業にとっても、在宅勤務は母性健康管理および新型コロナウィルス感染防止の両方のメリットがあるため、妊産婦に在宅勤務を認めている企業も多いのではないでしょうか。

ただ、在宅勤務を出来るようにすれば母性健康管理として十分な措置が講じられていると言えるのかどうかはケースバイケースであり、一番大切なのは妊娠中の方の心身の負担が軽減されることです。

在宅勤務は通常の執務環境とは違う環境で仕事をするので、作業効率が上がる場合もあれば下がる場合もあります。一気に在宅勤務の環境を通常の執務環境と同じ状態に整えることは難しいでしょうから、制限ある環境の中での仕事量が適正かどうかも検討する必要があります。実際に、在宅勤務は認められたものの、紙書類が多く思うように仕事が進まないことが精神的な負担になるということもあるようですし、体調面で無理のない仕事量なのかという視点も必要です。つわりが酷く通勤緩和のための在宅勤務という形を取れたとしても、逆に上記のような状況があると母性健康管理措置として在宅勤務が機能しているとは言えません。
 仕事量として無理はないか、在宅勤務での仕事の進め方に問題はないか等、課題の整理も大切です。仕事量として無理があるということであれば、まずはその点について上司に相談するなどして、業務量の調整をしてもらうようにしてください。体調面から本当に在宅勤務が適当なのか、休業や勤務時間の短縮など別の措置が必要なのか、あるいは時差通勤等の通勤緩和の措置を講じた上での出勤が良いのかなど、改めて医師等や職場と相談してみてください。
 在宅勤務で生じる仕事の進め方における問題については、在宅勤務をしている当事者だからこそ気づけることかもしれません。自分ひとりで抱えこんだり、無理をするのではなく、その課題を上司や同僚と共有し、在宅勤務での仕事の進め方の見直していくということは、職場全体の働き方の見直しにもなるかと思います。
 また、在宅勤務中、上司や同僚は妊娠中の女性労働者の体調が把握し難いという問題もあります。体調を把握しやすいように日頃のコミュニケーションの取り方にも工夫が必要です。勤務開始や勤務終了の際には顔が見えるような形で、仕事の進捗の報告以外にも心身の変化がないかを確認できるようにすることをお勧めします。

母性健康管理における措置においても、在宅勤務の利用においても大切なのは、双方でのコミュニケーション。体調、状況、環境に応じて、どのような形で働きながら妊娠期を過ごすかは、都度医師や職場に相談し、意見を交換しながら最適な方法を見つけ出してくださいね。

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「母性健康管理指導事項連絡カード」は、医師等の女性労働者への指示事項が適切に事業主に伝達されるためのツールです。男女雇用機会均等法に基づく母性健康管理上の措置として、新型コロナウイルス感染症に関する措置が令和2年5月7日〜令和4年1月31日の期間で規定されており、医師等から指導を受けた場合にも利用ができます。

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