企業担当者からのご相談
通勤緩和のため短縮した時間は無給でも良い?
社員から妊娠したとの報告を受けました。
通勤緩和の措置の申出があったので、出勤を遅く、退社を早くするようにしたいと思います。この場合、短縮した時間について給与カットすることは認められないのでしょうか?
怪我や病気で、遅刻早退する場合と差をつけることが求められているのでしょうか?
専門家からのアドバイス
通勤緩和措置により実際に勤務しなかった時間分の賃金は、労使で話し合い決定しましょう。
男女雇用機会均等法第13条では、「妊娠中及び出産後の女性労働者が、健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合は、その女性労働者が、その指導を守ることができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければなりません。」と定めています。これに基づき事業主が講じなければならない措置は、次のとおりです。
- 1. 妊娠中の通勤緩和
- 2. 妊娠中の休憩に関する措置
- 3. 妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置
通勤時の交通事情は、労働者の居住地、会社の始業時刻等により様々に異なるので、妊娠中の女性労働者の健康状態や通勤事情を勘案して、措置内容を決定することが望ましいでしょう。
妊娠中の通勤緩和に係る措置の標準的内容としては、次のようなものが考えられます。
- (イ)時差出勤
始業時間及び終業時間に各々30分~60分程度の時間差を設けること - (ロ)勤務時間の短縮
1日30分~60分程度の時間短縮 - (ハ)交通手段・通勤経路の変更
混雑の少ない経路への変更
通勤緩和措置における給与等の取り扱いについては、法律には規定されていません。それぞれの会社、職場での事情により決めていただくということになります。実際に完全有給で勤務時間の短縮を実施している事業場もありますし、勤務時間を短縮して就労しなかった分については無給にするという事業場もあります。短縮した時間について無給扱いとすると定めるのであれば、短縮した時間以上に賃金を減額することのないよう十分注意しましょう。
また、これを機会に、通勤緩和による勤務時間の短縮に係る賃金の取扱いを労使協議の上決定し、就業規則などに明文化しておき、さらに、こうした通勤緩和の措置を含め、母性健康管理に関する就業規則を整備されることをお勧めします。




