妊娠中の症状等に対応する措置

産後の回復不全

子宮が元の大きさに収縮しない、*悪露が滞留し感染を起こしやすい状態が続く、体力が戻らず疲れやすい、妊娠高血圧症候群による血圧上昇・蛋白尿が出産後も続くなど産後の回復が不良な状態であり、労働負担の軽減が必要である。

■軽症

措置
負担の大きい作業の制限又は勤務時間の短縮

身体的または精神的労働負担が大きい作業においては、負担の軽い作業の割合を増やすか、軽作業に配置換えする。
立作業の場合は、椅子に座って作業できるよう配慮することが望ましい。
勤務時間を短縮する場合には、遅い出勤の許可、昼食休憩の延長、早退の許可などにより行う。
子宮復古には個人差があるが、授乳あるいは搾乳により促進されるので、できるだけ十分な授乳もしくは搾乳時間を与えることが望ましい。
受動喫煙防止対策を講ずる。

自覚症状
*子宮復古不全では疲れやすい、背部痛、下腹痛、出血持続など。悪露滞留では発熱や分泌物の 色・臭いの変化など。また妊娠高血圧症候群では頭痛などがある。

特に注意すべき作業例
激しい全身運動を伴う作業(スポーツインストラクターなど)、筋力を多く使う作業(物品の集 配、保育士・看護師・介護職など)、歩行時間の長い作業(外勤営業など)、長時間の立作業(調理員、販売レジ係、工場でのライン作業、美容師など)、精神的負担の大きい作業(納期や締切に追われる設計・開発職や編集作業、対人折衝の多い営業職、長時間の運転業務など)

症状が起こりやすい時期
産後の1ヵ月健診以降数ヵ月以上続く場合もある。

時間外勤務
原則として不可

交代制勤務
原則として不可

■重症

措置
休業(入院加療)

《用語解説》

*子宮復古不全…

胎盤片、卵膜片が子宮内に残留するなどにより子宮の回復が遅れた状態である。悪露が多い状態が続き、子宮内感染をおこしやすい。子宮内清掃術、子宮収縮剤、抗生剤の投与により治療する。

*悪露……………

産後に子宮・腟より排出される分泌物のことである。分娩直後は血性であり、次第に褐色、黄色となり、産褥4〜6週間で消失する。

閉じる