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企業ご担当者の方
妊娠・出産などを理由とする不利益取扱いの禁止

職場における母性健康管理の推進

社内体制の参考事例

職場における母性健康管理の推進に当たって、社内体制の参考になる好事例をご紹介します。

1.取り組みをはじめたきっかけ   2.検討体制   3.具体的な取り組み内容
4.プラスαの取り組み   5.取り組みの効果   6.他社へのアドバイス

3.具体的な取り組み内容

妊娠初期 妊娠中 産前・産後
健診時間
の確保
通勤緩和 休憩時間
の確保
施設整備 時間短縮
勤務
業務転換、
就業制限
相談窓口
の設置
産前・
産後休業
育児中 全期
育児時間 育児休暇・休業 経済的
支援
職場復帰支援 情報提供 研修の
実施
風土
づくり
検討体制
づくり

妊娠初期

健診時間の確保
──健診時間の確保についての制度を具体的に教えてください。

30分単位で有給休暇が取得できるので、健診の時間に合わせて利用してもらっています。事前に、有給休暇の届けを出してもらいますが、健診用に特別な書式を用意しているわけではありません。

妊娠中

通勤緩和
──通勤緩和の取り組みについてお聞かせください。

会社の近所に住んでいるので、通勤緩和の必要性は感じたことはありませんし、導入の事例もありません。

休憩時間の確保
──休憩時間は確保していますか?

〈休憩場所の確保〉
休憩の際には、周囲に一声かけてもらえれば、いつでも休憩できるようになっています。

〈有給/無給〉
有給としています。

施設設備
──休憩室などの施設は設置されているのでしょうか?

事務所の一画を改装して、具合が悪い時に横になることのできる休憩室を設置しました。また、休憩室内にマッサージチェア、空気清浄機を設置しました。

〈資金調達方法〉
「H17年度 子育てしやすい雇用環境整備事業補助金」〈島根県商工労働部政策課〉を取得し、休憩室設置のための改装費100万円と備品購入費〈マッサージチェア・空気清浄機〉16万7000円を取得しました。

島根県や各行政窓口から、助成金に関するパンフレットを送付してくれるので、情報を取得して活用することができました。

時間短縮勤務
──時間短縮勤務について、具体的な取り組みをお聞かせください。

保育園の送り迎えがしやすいように、始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げを行っていました。短縮される時間は平均30分程度、最大でも1時間半ほどなので、現時点では時間短縮によって、その分の給与を差し引くことはしていません。

〈有給/無給〉
有給としています。

業務転換、就業制限
──業務転換や就業制限などは、どのように行っていますか?

〈転換先の決定方法〉
女性は事務職がほとんどで、特に体に負担をかけるような作業ではないため、業務転換は行っていません。

相談窓口の設置
──相談を所轄する部署はどこですか?

小規模な会社のため、特に設置していません。しかし、折りにふれて私から積極的に社員に話しかけるようにしています。最初は、煙たがられていたかもしれませんが、最近では、社員からいろいろと相談を持ちかけられるようになってきました。このように、社員との信頼関係を築いておくことが大事だと思っています。

産前・産後

産前・産後休業
──産前産後休業について、具体的な取り組みをお聞かせください。

〈取得できる期間〉
産前6週間、産後8週間で取得できることとなっていますが、休暇取得のタイミングについては、基本的に本人の自由意志に任せています。

〈代替要員の確保方法〉
当社で産休・育休を取得した女性はこれまで一人だけです。彼女は社内のシステムを一手に担当していたため、産休に入る前には他の社員に業務の引き継ぎを行いました。その上で、代替要員を正社員として採用し、まずは書類整理などの簡単な作業から徐々に覚えてもらい、社員全体の仕事量の負担を軽減するよう努めました。その時、代替要員として採用した女性は、今では当初の庶務からパソコンのオペレーションができるまでに成長しています。

〈有給/無給〉
無給としています。

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育児

育児時間の確保
──育児時間の確保について、具体的な取り組みをお聞かせください。

希望があれば相談に応じており、時短勤務と合わせて利用している社員もいます。

〈有給/無給〉
有給としています。

育児休暇、育児休業
──育児休暇、育児休業について、具体的な取り組みをお聞かせください。

〈育児休業〉
期間は1年です。保育所が見つからない場合は、最長1年半まで取得可能としています。

〈代替要員の確保〉
代替要員に関しては、対象者が産休の取得中の時期から正社員で雇用しました。

〈有給/無給〉
無給としています。

〈業務の引き継ぎ〉
産休時と同様、職場内で補完し合ったり、対象者が産休後、どうしても分からないことが出てくると、産休中の様子を聞きがてら、電話で問い合わせをしたりして対応しました。

経済的支援
──経済的支援についてお聞かせください。

〈保育費の援助〉
出産祝金10万円支給、保育所費用の3分の1負担、子ども手当〈給与に付与。一人につき月1万円〉を援助しています。

職場復帰支援
──職場復帰支援の取り組みを具体的にお聞かせください。

休暇中も電話やメールでやりとりをしている他、育児が落ち着いてきた所で、一度出社してもらい、復帰の時期について話し合っています。

全期

制度に関する情報提供
──制度について情報提供するためにどんな工夫をしていますか?

〈情報提供のツール〉
朝礼や会議、日々の業務の中で常に情報提供を行っています。その他、全社員に周知徹底したい事項については、回覧板を利用して洩れなく回すようにしています。
たとえば、「有給休暇とは何か」ということを社員に説明する場合、1回目は「有給休暇とは」というテーマで回覧を行い、2回目は「有給の申請方法は」というテーマにするなど、何度かシリーズに分けて社員全員に説明します。こうした啓蒙活動の結果、社員が自社のことを「良い会社だ」と誇りに思ってくれるようになり、モチベーションも同様に上がっています。

〈情報を提供するタイミング〉
当社は、入社のタイミングもばらばらなので、折りにふれて行っています。

研修の実施
──研修の実施方法について、取り組みをお聞かせください。

〈対象者の選定〉
特別には行っていませんが、常に朝礼や会議、回覧等で伝達事項の徹底を図っています。

〈実施のタイミング〉
必要な時期にいつでも行っています。

風土・社内環境づくり
──風土・社内環境づくりについて、取り組みをお聞かせください。

制度を利用する当事者だけでなく、他の社員にも配慮を行い、制度の狙いやメリットを説明することによって理解を深めてもらいます。
たとえば独身者の場合、制度の恩恵に与れないばかりか、産休・育休を取得する社員のフォローをしなければならない立場であるので、不公平にならないよう措置を設けています。借り上げ社宅を提供したり、女性の独身従業員には低家賃で貸し出したり、役職を付けたり、有給を奨励したりといった対策を講じることで十分納得してくれています。

検討体制づくり
──母性健康管理の制度に関して、その後の検討体制はどのように作っていますか?

総務担当者(常務取締役)と社長、役員が中心となって取り組みを進めてきましたが、折りに触れて社員との意見交換や情報提供などを行いながら決定しています。 とにかく「良い」と思ったものは実施してみて、そこで不備があれば柔軟に修正対応するのです。
また、会社としてのビジョンを明確に決めた上であれば、専門家の意見の聞くことは、とても有効です。しかし、たんに「うちの会社はどうしたらいいですか?」と聞くだけでは意味がありません。他人任せにしていても会社は改善できないし、自社の問題点は自社が一番よく分かっているはずだからです。 私の場合は、これまで外部の専門家に相談せず我流でやってきましたが、最近は講演の依頼をいただくようになってきたので、「皆さんにお話しする時に間違いがあってはいけない」と思い、労務士さんやコンサルティングの方に相談し、自社の制度を検討・見直しするように心がけています。

実施体制・各部門の役割
──母性健康管理の申請から実施までの体制や、各部門の役割についてお聞かせください。

直接、総務担当者である私に報告してもらうようにしています。また、社員に対して「報告しろ、報告しろ」と言うばかりでなく、こちらからも積極的に社員に話しかけることで、日ごろから話しやすい雰囲気づくりを努めています。

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