今後、ますます就業構造のサービス化が進展し、しかも労働力不足の状況下で女性の活躍が重要な鍵を握るようになってくる中では、この問題は看過できない。現に女性の就業分野は大きく広がってきており、建設作業や旅客・貨物の運送などに携わる女性も増加してきている。営業関係で外勤することや遠距離出張等の機会も増えている。さらに、身体だけでなく精神的に不調を訴える人も少なくないだろう。働き方の変化は、今まで以上に女性の健康管理への配慮を必要とさせることとなる。
しかし、働く女性のこうした悩みは、本人からはなかなか言い出しにくいし、そのため職場の周囲にも伝わりにくい。こうした理解のなさが、妊娠中の女性に対する非難や中傷となって、相手を傷つけるような言動となる場合も多いという。いわゆるマタニティハラスメントの問題である。労働組合の連合も、その取り組みに乗り出したが、そこでも母性健康管理の周知徹底が重要な政策課題とされている。今回の新成長戦略の展開を契機にして、ワーク・ライフ・バランスの推進や女性活躍の加速化の前提として、母性健康管理が重要な基盤となることがもっとアピールされるよう大いに期待したい。