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情報サービス業で働くみなさまへ

2.情報サービス業で働く女性と母性健康管理の実情

情報サービス業の仕事は、デスクワークによる作業が中心であり、重量物の取り扱いや無理な姿勢の動作などの身体的負担は比較的少ないと言えます。しかし、納期や仕事水準への要求の高さ等からくる時間的な拘束や人間関係の問題等、精神的な負担は大きいと考えられます。

労働条件について 作業の軽減について
〜女性労働者に聞きました!〜 妊娠中の働き方は?
妊娠中の残業の免除と休業の有無

職業柄、頑張り屋さんの多い業界。
症状や訴えに出なくても、心身にはストレスがかかっている

妊娠中の残業について、「請求し、免除してもらった」のはわずか14.2%。そもそも請求しなかった人が82.2%もいて、職業柄プロ意識の高さなのか、責任感の強さなのか、無理して頑張りすぎてしまう人が多い傾向が見受けられました。また、顧客先での常駐などがあったりして、思うように休憩場所が取れないケースも多いのか、休憩場所が「なかった」人が48.5%と半分近くにのぼりました。
妊娠中は、たとえ症状に出なくても心身ともにストレスがかかっているものです。今回の調査では、「請求しなかったので、(残業を)免除してもらわなかった」人が53.0%もいましたが、自主的に残業していて、“何も問題がなくて”請求しなかったのか、“無理して”請求しなかったのかでは、中身に大きな差があります。プロ意識の高い業界ゆえ、責任感の強さから「無理して請求しなかった」人が多いことは十分考えられます。症状や訴えに出ないところから配慮していく意識が必要です。

情報サービス業で働く女性たちは、仕事へのプロ意欲が高く、責任感を持って仕事に取り組んでいます。そのため、妊娠してからも、長時間働いている実態もうかがえます。「本人の自己管理のもとで残業しているのなら、問題はない」と考えず、女性労働者の体調に応じた対応が必要です。また、顧客先での仕事の機会もあり、休憩場所の確保など、母性健康管理上の配慮が十分行われているかどうか確認する必要があります。

〜女性労働者に聞きました!〜 妊娠・出産しても仕事をやめずに働き続けていくために必要なこととは?
時間管理/休憩の取り方/精神的な負担への考慮/相談窓口の設定

現状の仕事に精神的負担を感じている女性労働者が多い結果に
気軽に相談できる相談窓口が求められる

妊娠・出産しても仕事をやめずに働くために必要なことを探るため、必要だと思ったことと実現できていたことの差(実現率)を見てみました。
実現率が低い順に、「精神的な負担の軽い仕事への転換」「相談できる窓口がある」「身体的な負担の軽い仕事への転換」の3つが挙げられ、精神的なストレスを感じている女性労働者が多いことがうかがえます。
単に労働時間の短縮や制度の規定化だけでなく、職場での精神的なサポートが求められているようです。その受け皿として、気軽に妊娠・出産に関して相談できる相談窓口の設置や周知は必要なポイントです。

妊娠・出産を経験しても仕事を辞めずに働き続けていくために必要だと思うこととその実現率

無理やストレスは禁物!
申し出しやすい職場の雰囲気や環境づくりも大切

 妊娠中の体調の変化は個人差があり、妊娠の経過が順調だからと頑張りすぎ、体調を崩してしまうこともあります。特に、妊娠中のストレスは「早産」につながる場合もあります。
妊娠した女性労働者は、ストレスが多くなってきたと感じたら、すぐに主治医を受診し、指示を受けることが必要です。女性労働者が強いお腹の張りなど身体的な異常を感じる前に、つらいと感じたら無理をせず早めに申し出ることができるよう、職場の雰囲気づくりに留意しましょう。
 また、女性労働者が体調や仕事の面で無理をしていないか、普段からのコミュニケーションや面談を通じて、妊産婦の健康状態を把握し、産業医や産業保健スタッフに相談してみましょう。

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