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母性健康管理に関するQ&A

みなさまからよく寄せられるお問い合わせをご紹介し、その質問、疑問にお答えいたします。

母性健康管理のための措置

◆妊産婦健診

Q 妊産婦健診は体調が良くても受診する必要があるのでしょうか?
A 現在健康であっても、母体や胎児への異常は突然起こる可能性があります。それをできるだけ早く見つけるために、4週間おき、2週間おきあるいは1週間おきに健診を受けることは非常に重要です。また、健診を受けることでかかりつけの医師を持ち、緊急時に備えることも重要です。
Q 企業から、健診を受ける場合は有給休暇を利用するように言われましたが、違法ではないのでしょうか?
A 通院休暇は、勤務時間内に健康診断等受診のための時間を確保するという趣旨で設けられるものです。事業主が一方的に年次有給休暇や前年から繰り越された年次有給休暇の未消化分をもって通院休暇に充てるよう女性労働者に対して指示することは認められません。
ただし、女性労働者が自ら希望して年次有給休暇を取得して通院することを妨げるものではありません。
Q 妊産婦健診を受ける時は、健康保険が適用されますか?
A 妊娠は病気ではありませんので、正常妊婦の健診には通常保険が適用されません。

◆通勤の緩和

Q 通常は電車通勤ですが、妊娠中は車による通勤を認めてもらうことはできるのでしょうか?
A 交通機関の混雑による苦痛はつわりの悪化や流・早産につながるおそれがあります。主治医等から通勤緩和の指導があった場合には、会社に申し出ることにより、通勤緩和の措置を講じてもらうことができます(電車、バス等の公共交通機関を使っての通勤の他、自家用車による通勤も通勤緩和の措置の対象となります)。 
なお、主治医等からの指導事項を会社に的確に伝えるためには、「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用することが効果的です。
Q フレックスで通勤したいのですが、会社に制度がない場合どのようにしたらいいでしょうか?
A 主治医等から通勤緩和の指導があった場合には、会社に申し出ることにより、ラッシュアワーの混雑を避けて通勤することができるように、通勤緩和の措置を講じてもらうことができます。フレックスタイム制度がない場合でも、始業時間及び終業時間に各々30分〜60分程度の時間差を設けて通勤緩和措置をとることが考えられますが、具体的な取扱いについては会社とよく話し合う必要があります。
なお、主治医等からの指導事項を会社に的確に伝えるためには、「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用することが効果的です。
Q つわりがひどく、通勤電車の中で何度も気分が悪くなります。体調に合わせて就業時間の短縮や、つわりの期間時差出勤をしたいのですが、適用期間はあるでしょうか?
A 通勤緩和措置の適用期間は医師の指導によりますので、主治医や会社の産業保健スタッフ等にご相談ください。

◆休憩

Q 具合の悪い時や疲れた時等、何回まで休憩の申請ができるのでしょうか?
A 妊娠中の女性の健康状態には個人差があり、また、作業内容も個々の女性労働者によって異なるため、法律では休憩回数を定めておりません。
状況に応じて、母性健康管理に携わっている関係者(人事管理部門、上司、健康管理部門、産業保健スタッフ等)と相談し、
  • 1.休憩時間の延長
  • 2.休憩回数を増やす
  • 3.休憩時間帯の変更
など適切な措置を講じてもらいましょう。

◆業務の軽減

Q 「負担の大きい作業の制限」の目安を具体的に教えてください。
A 負担の大きい作業としては、以下のようなものが考えられます。
  • 1.重量物を取り扱う作業 継続作業:6~8kg 断続作業:10kg以上
  • 2.外勤等連続的歩行を強制される作業
  • 3.常時、全身の運動を伴う作業
  • 4.頻繁に階段の昇降を伴う作業
  • 5.腹部を圧迫するなど不自然な姿勢を強制される作業
  • 6.全身の振動を伴う作業 他
Q 妊娠中は、体に負担が大きい外回りの営業、販売員等から、社内事務に配置換えをしてもらうことができますか?
A 労働基準法第65条第3項において、妊娠中の女性が請求した場合には、事業主は他の軽易な業務に転換させなければならないとしております。
具体的な配置転換先については、企業の事情により大きく異なりますので、企業内の産業保健スタッフや上司等と相談して、対応方針を決めていく必要があります。また、主治医等から作業の制限についての指導を受けた場合には、会社に申し出ることで、負荷の軽減された作業への転換などの措置を受けることができます(男女雇用機会均等法第13条)。 
なお、主治医等からの指導事項を会社に的確に伝えるためには、「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用することが効果的です。
Q 会社から夜勤や残業を依頼された場合、拒否することはできるでしょうか?
A 妊産婦は夜勤や残業依頼を拒否することが可能です。労働基準法において、妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働又は深夜業をさせてはならないとしています。また、変形労働時間制の適用を受けていても、妊産婦が請求した場合には、1日8時間、1週40時間を超えて労働させることはできません(労働基準法第66条第1項〜3項)。
Q 産休中であっても、会社から年間の作業ノルマを与えられています。これは違法ではないのでしょうか?
A 産休中であっても作業ノルマを設定されること自体は違法となることはありませんが、産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後は8週間は女性を就業させることができません。(労働基準法)
よって、作業ノルマを設定する上でも、就業できない期間を勘案する必要があると言えます。
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