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世田谷総合支所 健康づくり課 母子保健コーディネーター 上村いずみ

 今回は、働く女性の妊娠・出産・子育てを支援する地方自治体の取り組みとその活用についてご紹介します。地方自治体では、平成27年4月に始まった政府の「子ども・子育て支援新制度」を受け、子育て世代包括支援センターの整備を進めています。その目的は、核家族化や地域のつながりの希薄化により孤独化する母親の育児不安や育児負担を軽減するために、妊娠期から子育て期にわたり切れ目のない支援を提供することです。そのために、子育て世代包括支援センターが中心となり、地域の妊産婦や子育て家庭の状況を継続的・包括的に把握し、必要に応じて適切な情報提供や相談支援、関係機関への紹介を行っています。

 現在、私は、自治体の窓口で、主に母子健康手帳の交付を受けに来た妊婦を対象に、妊娠・出産・子育てに関する各種の相談に応じ、必要な情報の提供や助言、保健相談等を行っています。特に、働く女性に対しては、その仕事内容や職場環境、出産後の働き方についても確認し、悩みや困りごとが無いか相談にのり、場合によっては、育児・介護休業制度に関するリーフレットを用いて母性健康管理制度の説明や相談先の紹介なども行っています。

 妊娠中の女性の中には、妊娠して初めて行政や地域の子育て支援サービスについて知ったという方が多くおられます。特に、地域社会との関わりが少ない働く女性の多くは、住んでいる地域の情報を殆ど知らず、妊娠・出産・子育てを機に初めて地域の集まりや行事に参加するという人も少なくありません。出産後にすぐに職場復帰を考えている人、しばらく育児休業を取得してからの職場復帰を予定している人、様々であると思いますが、ぜひ妊娠中からご自身が子どもを産み育てていく地域についてよく知り、地域にある子育て資源を積極的に活用しながら子育てと仕事の両立を目指して欲しいと思います。

 妊娠中であれば、出産病院だけでなく自治体の両親学級に参加してみるのもひとつです。妊娠中から近所のママ友と知り合うきっかけになり、また、地域の子育て支援に関する情報が多く得られます。出産後は、地域の子育て支援拠点(子育て交流スペース等)に出かけてみてください。身近な所で気軽に親子の交流や子育て相談ができる場所となっています。また、仕事への復帰を考える時期を迎えた際には、保育園情報の収集の他に、自治体が直接(または委託)運営するファミリーサポートセンターを利用することもお勧めします。仕事の都合で保育所への送り迎えに行けない時などにも利用できます。この他にも、地域には働く女性をサポートする子育て支援が多くあります。

 妊娠・子育てに関する情報はインターネット上でも溢れていますが、地域に根差した子育て支援サービスの情報を得るためには、ご自身が住んでいる自治体の窓口を訪れるのも良いかと思います。いざという時に頼れる人やサービスとして、身近にある子育て資源を積極的に活用してはいかがでしょうか。

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