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労働衛生コンサルタント おばたやすこ労働衛生コンサルタント事務所所長 小畑 泰子 女性労働者の皆さん、あきらめないで!

「仕事と育児の両立」は困難で大変奥の深い課題だと思います。以前に比べ法の整備が進み、社会的な関心も増え、職場でもさまざまな対応が取られるようになってきている一方で、依然として職場や家族の理解が無く、苦しく悲しい思いをしている女性労働者もたくさんいます。

このサイトでのメール相談をみましても、職場の無理解や周囲の心無い言動により悩んでいる女性労働者からの相談が多数寄せられています。

仕事を続けながら妊娠・出産し、子育てしていくことを望みながらもさまざまな状況からそれがかなえられないということは、女性労働者本人のみならず、家族にとっても、職場にとっても、そして社会にとってもよいことだとは思えません。

私を含め私の周囲をみても、仕事と育児を両立している、できている方は家族の協力や職場の理解などがあり、そのような意味では“恵まれている”環境にある方が多いようです。家族構成や居住する地域によっても差はあるでしょうが、上手に子育て支援のためのサービスを利用し、職場の人間関係も良好に保ちつつ、仕事もきちんとこなしていくというイメージでしょうか。

しかし、本来女性にやさしい職場づくりや子育て支援ということはこのような“恵まれている”人のみが何とか仕事を継続できるというレベルのものではなく、“恵まれていない”人であっても安心して仕事を継続できるというレベルのものでなくては意味がありません。そしてどんなにすばらしい制度があっても実際に活用されなければ何も無いのと同じなのです。今後はもっと制度を活用しやすくすることや企業間の格差や個人差をなくすための対策が必要になってくると思います。

そして、制度の整備やサービスの向上、企業側の努力に頼るだけでなく、女性労働者側も自らが妊娠・出産・育児と仕事の両立のために努力するべきだと思います。このサイトのメール相談でも、「法律で認められているのだから、何とかしてもらうのが当然!」というような考えが見受けられますが、とても残念です。このような考えを持つ一部の方のために、他の多くの女性労働者が肩身の狭い思いをしているのです。

仕事を続けることや出産することをあきらめてしまっている方もいます。法律や制度のこと、自身の職場の就業規則などをよく調べることもせずに悩んでいるようなケースがよくみられます。本当に仕事を続けたいなら、出産したいならあきらめないでほしいのです。どうすればできるのか一人で悩まずに、どんどん相談してください。うまく周囲を巻き込んでいってください。

このサイトでは妊娠・出産・育児と仕事の両立に悩んでいる女性労働者のためにありとあらゆる相談にのっています。メールによる一方通行のため的確な回答ができないこともあると思いますが、それぞれの専門家が一つひとつ丁寧に回答しています。このような相談の場があることを知っていただくだけでも、心強いことだとは思いませんか?もちろん、妊娠・出産を控えた女性労働者だけでなく、そのような方がいる会社や上司、同僚の方からの相談も受け付けていますので、積極的に活用してください。

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